FC音源(2A03)でDQ3そして伝説へ……[海外版] (習作)/FamiStudio操作メモ

01 January 2025

FamiStudio 備忘録

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FC音源で演奏するにはやはりmmlを手打ちするしかないのか……と思っていたところで、nsfを直接読み込んで再生情報を表示でき、かつそのまま編集してnfsとして出力することが可能という、ほぼ「これがほしかった」に近いエディタ(というよりDAW)を発見した。
FamiStudioというソフトウェアで2019年にリリースされたらしい。mmlはインターフェイスに全く登場せずインポートもできないので、mmlエディタではない。


試しにFamiStudioを使用したところ、数時間かけても完遂できなかった作業(具体的には転調)が、操作に慣れる時間も込みで数十分でできてしまったのには感動した。
しかし、その他の操作にはそれなりに癖があり、開始即思った通りのアウトプットが可能なほど簡単ではなかった。

そこで、基本操作を一通り習得するためDragon Worrier III "And, into the Legend..." (海外版ドラゴンクエスト3「そして伝説へ……」)をFamiStudioで編集してみることにした。行った操作は以下。

・転調
・オリジナルで打ち間違いと推測される箇所を修正(海外版では修正されていない)
・ループの削除
・演奏チャンネルの変更
・海外版で新たに挿入されたフレーズとオリジナルのフレーズとの融合
所要時間は約18時間であった。


【FamiStudio操作メモ】
忘れがちだが重要な制限があり、FC音源の最大発音数は3なので、すでに音符がある場所では音符の長さを変更するのに制限がかかったり、また他から音符を持ってくると自動的に置き換えられたりしてしまう。しかし最初は意外とこの理由に気が付かない。

その他慣れが必要だと思った点:
・左クリックはピアノロールで音を乗せるのに使用するので操作は基本は右クリック(これが意外と慣れない)
・ウィンドウサイズによってコピー/カット/ペースト/アンドゥ/リドゥのアイコンが出たり消えたりする(最初13インチのSurfaceで作業していたのでこれらのアイコンが出現せず大変戸惑った)
・範囲選択はBeat単位で、特定の音符を単独で選択することはできない
・音符を配置する位置はFrame(32分の1Beat)単位で調整できるが音符の長さは1Beatより短くできない(少なくとも現在見つけられていない。おそらくNotes per Patternで規定される)
・Pattern(小節に相当)はctrl+cとctrl+vでコピペまたはctrl+xでカットアンドペーストができる。音符はドラッグで移動、コントロールキーを押しながらドラッグでコピー
・選択中のFrameには音符をドラッグできない

・Beatの途中に音符が配置されているBeatをドラッグで移動する時、空白Frameも音符があるものとしてカウントされ移動先のBeatの音符が削除されてしまう

・ドラッグで隙間なく音符を配置したい場合、移動する音符の頭をまずFrameの先頭に揃えるなどの工夫が必要
・Patternのペーストにinstanciateとduplicateの2種類がある

Instanciateではコピー元とコピー先が連動していて、どちらかで音符を編集するとそれが連動先にも反映される(Instanciateの挙動に気が付くのに時間がかかった)
・フレーズを鳴らすチャンネルを変更したい場合は、変更したいPatternをカットし鳴らしたいチャンネル上にペースト、またはドラッグアンドドロップで移動する。


ところで、FamiStudioには今後もぜひとも開発を続けてほしいので投げ銭したいのだが、窓口はどこなのか。


【題材について】
なんでまたもや版権ものを選んだかというと、きっかけはこの動画

とこの動画。

海外版はスタッフロールが長いため、曲自体が長くなっている。具体的には、オリジナルでは1ループしかしないメインパートが2ループし、また2ループ目に入る直前にオリジナルにはないフレーズが挿入されている。これは自分も初めて知った。

この動画では海外版の方がテンポが速いが、これはもしかしてPAL用にプログラムしたのをNTSCで再生したからとかいうことはないだろうか。
音の減衰も短いせいか、海外版はどこか余韻がないというか演奏が雑に聞こえる気がする(※個人の感想)。

また、2番目のチェンバロはなぜ変ロ長調で演奏しているのかと思ったが、思い返してみればオケやリメイクではオリジナルのハ長調ではなく変ロ長調であった。


編集後の演奏を聞いてみたところ、ハ長調のオリジナルにはどこか明るい悲しさがあったが、変ロ長調はそもそもの調性がやや陰りを帯びているので余計メランコリックな響きになった。
また、打ち間違いと推測される箇所を修正したところ、あまりにもスムーズに曲が流れて(≒アクセントがなくなって)なんだかインパクトが減った気がする。

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2010年3月31日 再々移転・改題
2008年7月16日 再移転
2003年2月26日 移転・改題
1999年1月2日 開設

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