3周年までにはどうにかして全授8章を終わらせたいと思っていたが、継章まで含めてなんとかクリアすることができた。達成感も解放感も特になかった。
朗読劇を挟んだのもあるが、総力戦の準備(特にメンバーの金導石集め)に丸2カ月費やしたのにまだ終わらない、ということが苦痛になってきた。1章進めるのにかけてもいいと思う時間は自分はせいぜい1カ月であった。実際、海外版で最新話に追いついて以降はそういうペースだった。
これだけ育成して、ようやく一番出番が多いメンバー7人がレベル100に到達した程度、手持ちの覚醒アクセサリーはグロッサム、ティキレン、ヴァルカン、セドリック、ベルトラン、クレス、カミラの7つのみである。オクトラボアンケートにも「いくら大陸の覇者はバトルが売りとはいえ、メインストーリーをエンドコンテンツ並みの難度にしてくれるな。ルビーでボス戦スキップできるのならしていた」と書いてしまった。
第9回生放送で細川ディレクターが「開発チームとしてはいわゆる弱体化による調整は最終手段と考えている」「基本的には(中略)トラベラーが強くなって強敵を打ち倒すという体験ベースにしていきたい」と述べていたように、2.5周年の灯火の加護、3周年のオーバークラスアップと立て続けに大幅なキャラ強化が実装され、運営の「この開発陣渾身のラストバトルを絶対に体験してほしい」という想いは痛いほど理解した。
よろしい。
それならバトル超絶ヘタクソ民としては別の手段で対抗しようではないか。難問も金で解決できる(こともある)のが運営ゲーの良いところである。手持ちルビー3000個弱全てを割るつもりで臨むことにした。
結論から言うと、ここまで進めてくることができた人で自分以上にバトルがヘタクソかつリソースもない人もそういないと思うので、かなり余裕を持って見積もっても10連ガチャ一回分(300個)あればまあクリアはできる。奇しくも、これはボス戦スキップに「ここまでなら出してもいい」と思っていた個数であった。そして、実際には無料ルビーで賄えたのでリアルマネーは払っていない。
さて本編である。サザントスの理想郷を拒否してサザントスの元へたどり着くと、サザントスが選ばれし者に次のように語りかける。
“選ばれし者”よ
そなたの心は、青く美しい
私が出逢った誰よりも……
その心に従い、そなたは欲深き者たちを退けた
だが……私は知っている
それこそが……そなたの“欲”であると
「それ」とはどれのことなのか。「欲深き者たちを退ける」ということか?
そなたはいつだって、戦ってきた
他の誰の為でもない
その黒き願いのために……
だから「その黒き願い」とは何のことなのか。「欲深き者たちを退ける」ということか?
まあ思いたいように思ってもらって結構だが、いかにも「お前が必死に隠している悪事を暴いてやったぞ」という口調で見当違いなことを言われても滑稽なだけであった(ここは福島さんの演技がとても光っていた)。
サザントスの言うような理由でここまで来たとも特に思わないし、欲があることを恥じるべき悪いこととも別に思っていないので……。
そもそも、「欲深き者たちを退ける」ことは普通はあまり「欲」にはカテゴライズされない。
確かに欲ではあるが、これを欲と形容するなら自分のやっている「欲深き人間を滅ぼす」「欲なき世界を作る」は何だ? とはならないのか。自省が足りない。
持論なんですけど「他者への罵倒」という行為は「罵倒する側の深層的恐怖心」を映す鏡として機能するんですよね 『お前友達いねーだろ』を最大級の罵倒と思って使ってる人は、自分の周りから人が離れていくことへの恐れを、『お前ダセーな』は見下され劣等な存在として扱われることへの恐れを反映する
— しをはら (@hakatano_shiwo) October 17, 2023
これは全くこの通りだと思っている。「俺はお前にも“欲”があるのを知っているぞ」というセリフはおそらくサザントスには大ダメージを与えるのであろう。
全授7章の聖火神が執拗に「みんなお前のことを忘れてしまっているのにお前はそれでも戦うのか」と尋ねてくるが、それもこの原理だったのだろうか。もっとも、神様の場合は人間から忘れられたら力を失ってしまうから仕方ないかもしれない。
サザントスに対する肯定的な印象はやはり最後までなかったのだが、サザントスの最期は後味悪かった。「なんでそんなになるまで黙ってたんだ」と可哀想に思った。
サザントスも普通の人間であった。
サザントスが助けを求めることができなかった事情は痛いほどわかる。そして、自分にないものを他者に与えることはできないということも。
「サザントスを救いたい」という意見は本当にたくさん目にした。自分も気の毒な人だとは思う。とはいえ、こうなってしまっては彼の今生で彼を救うのは無理なので、せめて全力で打ち倒すのが彼に対する礼儀だと思う。
しかし、総力戦の後に登場した本当のラスボスについては「申し訳ありませんがどちら様ですか?」感しかなかった。なぜ過去の指輪の所持者のスキルを所持しているのか。指輪の力がサザントスの“欲”に汚染されて顕現したものという理解で正しいのだろうか?
このラスボス戦でもこれまでの指輪の所持者とのバトルで出てきたようなヘルプが出てくるのだが、死んだ人まで出てくるので、状況も相まって走馬灯に見えた。
音楽や演出の盛り上げ方は非常に巧みで、ハマれば感動的だっただろうなあと思いながら眺めていた。残念ながら「誰なのお前?」という疑問で頭がいっぱいであり、自分は感動に浸ることはできなかった。
そして、エピローグ開始後に突然流れるアラウネの呻き声。
アラウネのその後については既にネタバレで知っていて、普通に「よかったね」と思っていたし、特にご都合主義とか感動ポルノといったような感想も持たなかった。アラウネが暢気なことを言っているのに憤っている人もいたが、アラウネはもともとそういう人なのに今さら何を言っているのか、と思っていた。
しかし、1時間を超えるバトルx2を終えMPゼロになっているところへ何の前触れもなく息み音声を聞かされた日には「なんだこれは???」となってしまい、全く感動するどころではなかった。アラウネに対して特に何も思っていなかった自分ですらこれだったので、アラウネに対して好印象を持っていなければそれは激怒するであろう。
そしてアラウネは生まれた子供への希望を述べる。自分の子供にどんな希望を持とうが勝手ではあるが、自分の子供とはいえ他人に青臭い(しかも実現がかなり困難な)理想を抱いても誰も幸せにならない。
子供に自分の希望を託すな。お前自身でその道を歩め。
それにしても、サザントスが世界中の人々の記憶を焼いて辻褄を合わせたとしても、2年後にエルマンがエドラスの王になるのは難しくないだろうか。それ以前に、作中でも普通に2年くらい経っていそうである。
ソロンは「孤独な戦いほどこの世に辛いものはない」と選ばれし者を労ってくれたが、謝罪の言葉はなかったところに外国語のテキストみを感じた。
継章は「手記の日本語にハァ???」らしいと聞いてどんな日本語なのか楽しみにしていたのだが、特に日本語の表現におかしいと思う箇所は見つけられなかった。具体的にどの表現を指して「ハァ???」と言っていたのだろうか。個人的には名授3章あたりから、テキストにチェック入れる人はいなかったのかと疑問に思う箇所があった。
継章は、疑問に思っていたことに対する回答は特に得られなかったが、自分は好きだった。
継章でようやく旅団名ではなくキャラクター名を呼んでもらえた。シードストーリーやLALコラボではちゃんとキャラクター名を呼んでくれたのに、なぜこれをメインストーリーで実行できなかったのだろうか。旅団名ではなくキャラクター名を呼ぶだけでも、各トラベラーが「単に表示されている」だけではなく「ストーリーに関わっている」感は増したと思う。
しかしその後の回想シーンでまたもや弊旅団にいないトラベラーが容赦なく登場して、興醒めもいいところであった。
このバルジェロというキャラクターは、ストーリーが進むたびに地味にヤバさが際立ってくる。
物質的に不足が多く、「生き延びるためには誰かから奪うしかない」という思考が蔓延している環境で育ってきたのに、どのようにして「大事なものは分け合うものだ」という境地に至り、「世界がマシになる」のを信じて日々の活動を続けてくることができたのか。
誰かから影響を受けた様子もストーリー中では語られないので自力で到達したと思われるのだが、それだけでも稀有な才覚である。
バルジェロは、長期的視点を持ちつつも、今自分が何のために何をしているのかも明確に把握しているのである。一都市のマフィアボスにしておくには惜しいくらいなのだが、彼自身はヴァローレ以外のためにその力を使う気がないのも欲がなさすぎてすごい。
気持ちはわかるが、エリカやマフレズが生きている世界線で「この」エルマンは生まれていたかどうか。エリカとマフレズの子供がエルマンになっていた可能性は十分にある。
イヴォンは相変わらずである。しかし、ルシアもとい秘書がここで助け舟を出した意図はよくわからない。
イヴォンのこの独り言はロンドたちには聞こえていなかったのだろうか。それにしてもルシアは体のよい厄介払いが本当に上手い。
サザントスの手紙を読んだが、宛先の選択がよくわからなかった。懺悔のつもりだったのだろうか。
聖下に願い出て、
母をさらった教会の暗部を
炎で焼き尽くしても
サザントスはきちんと(?)教会の暗部を炎で焼き尽くしていた。ということで、
サザントスは、まずは自分の支配欲を自覚し、他人にどうこう言う前にまず自分の支配欲を滅するべきである。その上で滅ぼすとすれば、全ての人間ではなく母を穢した聖火教会である。
この後半部分は撤回する。それでも復讐心は治まらなかったのは彼の不幸であった。
継章の手記。手記の冒頭では、全授7章で選ばれし者以外の全員の記憶を焼いたのは意図的なものではなく、むしろ選ばれし者の記憶も含めて焼くつもりだったのに焼けなかった、と書いてあるように読めた。
が、読み進めると意図的に選ばれし者以外の記憶を焼いたように書かれていて意味がわからない。自分の行動の意味をメタに解釈しようと試みたのだろうか?
選ばれし者の記憶も焼けていたら、選ばれし者自身も何も覚えていないので、何のダメージも受けなかったのではないだろうか。何のダメージも受けなかったら絶望も何もない。
ただ、サザントスは実は周囲の人間から記憶されていたいと願っていて、サザントスにとって忘れ去られるというのは絶望に値する罰なのだというのは伝わった。
(自らが守った世界から忘れ去られても)この者は絶望しなかった。
だって誰かが自分のことを覚えていようがいまいが大して興味ないし、覚えていてもらうためにやったわけでもないし。
自らのためでなく、守るべき者のため、この地までたどり着いた。
いや、徹頭徹尾自分の理由でここまで来ましたが……。
この者の強さは(中略)未来を信じ、歩み続ける人間の強さだ。
あまりそうは思わないけれども、そういう解釈もできなくはない……かもしれない。
どう解釈してくれても構わないとはいえ、解釈があまりに明後日の方向過ぎるので苦言を呈さざるを得ない。サザントスは相変わらずそういうところが独善的なのである。
が、もっと言うと、サザントスがというよりそもそもシナリオライターの表現する人間観がステレオタイプすぎて共感できない。「自分だけの旅を生きるべきだ」を作品のスローガンに掲げるなら、そのような「プレイヤー側」の動機の決めつけも控えるべきだったのではないだろうか。
遺灰ということは、フィニスはやはりあのサザントスの一撃で亡きものとなっていたのか。いくらなんでも弱すぎである。
細部に解釈違いはあるものの、全授編の落としどころとしては妥当ではあった。しかし、無印と相当矛盾するのに本当にこれで終わりなのか。夢オチの方がなんぼかマシだったなと思わずにはいられない。
ボス戦の記録。
ひたすら無になりながらコマンド入力していた。
しかし、日頃から写記でEx3とかバシバシしばいてるような人なら意外といけるのかも、という感触もあった。ちなみに旅団2のエンドコンテンツ達成率は、写記は特別任務で指定されたもののみクリア、秘技の塔は60階、ジョブの塔もEx3階までと大変低い。
総力戦では蒼星の英傑パス体験版のおかげで実際にはルビーは割らずに済んだ。第1フェイズ、第2フェイズでチケットのカウントが別だったのは良心的だった。
ラスボス戦も第4フェイズのHP50%くらいまでは1コンティニューでなんとかなったのだが、それ以降はほぼ毎ターンルビーを割った。実際に割ったのは100個だった。総力戦よりラスボス戦の方が楽だったという感想を見て油断していたが、普通にラスボス戦の方が総力戦よりつらかった。「ウラアァァァぁ!」という、神にあるまじき雄叫びを何回も聞いた気がする。
キャラの育成だが、レベル90まで上げれば残りのパネルはほぼバトアビの消費SPダウンなので劇的には強くならないという先達の言葉を信じて、総力戦に編入予定のキャラはとりあえずレベル90までは上げた。灯火の加護が実装されているメンバーは、物攻/属攻と速度を2段階ずつ上げてある(TP消費だけで灯火の結晶が必要にならない)。灯火の加護の恩恵はほとんど感じなかったが、ニコラの「赤帽子の活力」は総力戦第2フェイズで猛威力を発揮した。
意外にもセイルが総力戦・ラスボス戦で大活躍であった。セイルのソウルも早く実装してほしかったが、セイルのバトルアビリティはサイドソリスティアのサイドストーリークリアで強化されていくので、2の主人公が全員出てくるまでは実装されなさそうである。
所要ターン数は、総力戦第1フェイズ38ターン、第2フェイズ50ターン、ラスボス(第1~4フェイズ)151ターン、イベントバトル8ターンであった。
第1陣: 平均レベル95、灯火の加護2人
第2陣: 平均レベル91、灯火の加護6人
第3陣: 平均レベル94、灯火の加護6人
ラストバトル: 平均レベル97、灯火の加護5人
ソウル武器の厳選はこの程度である。ところどころ力尽きている。
継章のボスは全授8章より面倒くさいのか? という懸念があったが、初見、汎用パーティーで臨んでギリギリ勝てた。メインストーリーはこのくらいの難度にしてほしいと切に思った。
継章前編では画面上にソロンを同時に2体出現させたくてパーティーにソロンを入れたのだが、このソロンがまさかの大活躍だった。