チケットとビジュアルボードを一緒に撮ってる人の真似してみたものの全然ピントが合わなくてチケットがボケボケの図 |
この3月23日に、オクトパストラベラー5周年記念イベント第2弾、オーケストラコンサートが昭和女子大学人見記念講堂にて開催された。
大学の講堂でコンサートやるのか……と思って講堂のウェブサイトを見てみると
音響効果のすばらしさには定評があり、外部一般にも貸し出しています。
クラシック・コンサートを始めジャズ、バレエ、日本古典芸能等の公演など幅広いジャンルでの利用が可能な多目的ホールであり、様々な文化芸術に触れられる場所として、文化芸術への新たな出会いと新たな感動を皆さまにご提供していくホールです。
とあり、自分でも知っているのを挙げると過去には「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサート、ミュージカル「刀剣乱舞」、宝塚花組の公演などが開催され、今年の6月末にはRevoのオーケストラコンサートが予定されていた。言われてみれば、たとえば相模女子大グリーンホールなども様々な学外イベントに利用されていることに思い当たった。
ありがたいことに朗読劇に引き続きオーケストラコンサートにも縁があり、またしてもドイツから飛んだ(今回はオケコンだけが目的ではなかったが)。
CDや公式サイト、パンフレットでの予習はせず、何が来るのかまったく未知のまま公演に臨んだ。実は公式ページのセットリストにもすべての曲目が掲載されていた訳ではなかったのは公演後に初めて知った。
以下、タイトルと感想。
メインテーマ
まあまずこれが来ますよね、というオクトパストラベラーの顔。大変な難産だったらしいが、前向きな旅のイメージよくが出ていて一番好きな曲の一つである。
イントロは2ベースのアレンジだったが、メインパート(サビ→Aメロ→BメロのAメロ)は無印がベースだった。無印の方がオーソドックスで好きなので嬉しい。サビの裏メロディーのトランペットがカッコいい。
フルートの出だしで思いっきり息継ぎの音が聞こえて、マイクの存在に気づく。
リバーランド地方
一周目は割と原曲重視。2周目で転調してストリングスがメロディーラインを担当する箇所が空気がふわっと広がる感じで良い。
バトル1~勝利のファンファーレ
これも2周目のメロディーラインを吹くトランペットがカッコイイ。ファンファーレとの繋ぎに「旅路の果てに立ちはだかる者」の冒頭数フレーズが入っているのも良き。
ここで作曲者の西木さんがMCとして登場。そう、ここはニューデルスタ。
記されざる島オルサ
大陸の覇者で一番好きな曲。
原曲は「記されざる」とあるだけあって(タイトルは後付けかもしれないけど)ひっそり静謐な感じがするのだけど、オーケストラということもあり壮大にアレンジされていた。
“深淵の覇者”サザントスのテーマ(オケアレンジCD未収録)
出だしが原曲より一音低くて、変調アレンジか? と思ったらすぐにオリジナルの調性に戻った。すぐに全授6章の長くてつらいバトルが思い起こされたので、アレンジには「絶望を授けし者」のフレーズも使われていたような気もしなくはないが、定かではない。
赤い渦巻がぐるぐる回転する演出は面白かった。
白雪舞い落ちる街
静かな鈴の音がしんしんと雪が降る様子を音写しているようで好きな曲。とっさにスティルスノウの風景が脳裏に浮かんだが、オルサ島→サザントスのテーマときたら、思い浮かべるべきはどちらかというとエンバーグロウであろう。
リンユウの「いかなる時にも希望はあります」というセリフが聞こえるようだと言ってる人がいて「なるほど……」と思った。
ここで西木さんと宮内Dによる2回目のMC。
薬師アーフェンのテーマ(オケアレンジCD未収録)
商人パルテティオのテーマ(オケアレンジCD未収録)
富を授けし者
MCの後はサックス3連。鈴木広志さんがアルトサックスとテナーサックスの2本を持って登場。アーフェンとパルテティオは人柄が似ているのでテーマ楽器も同じ、というのはそれなりに説得力がある。オスカはかなり違うが……。
同じ楽器なのにアーフェンとパルテティオで奏法が全然違って、同じ楽器から出ている音とはにわかに信じ難い。アーフェンの方はとても素朴な感じがしてチルい。パルテティオはジャズっぽく、静かではあるんだけど「めでたしめでたし」「次も頑張ろう」みたいな明日への希望が感じられる。
「富を授けし者」ではサックスを持ち替えて、アグレッシブでゴージャスに。オケだけどアレンジもちょっとジャズ寄り。
途中でサックスのピンマイクが落ちたのだけど、何事もなかったかのようにリカバリーしててさすがだった。
宝物のために~ボスバトル2
ここは富繋がりでトレサのバトルエクステンドが来たのだろうか?
メロディーラインを担当してるのはオーボエで、ハーモニカのパンチに慣れているとソフトな印象。続くボスバトル2も全体的になんとなくソフトな仕上がりだった。パーカスが良かった。
ここで15分の休憩。サイン入りCDはオケアレンジではなくBreak & Boost Vol.2の方だったし、他にほしかったものは先行販売/通販予約で買ってしまっていたし、2階席だったので、休憩中の物販はわざわざ見に行かなかった。
風翔ける、戦場(オケアレンジCD未収録)
第II部、スタートからテンション高め。ヒカリ1章ク国砂漠の戦場の風景が脳裏を過ぎる。
華やかなる都会
個人的にオクトラ2を象徴していると思っている曲。
2は無印に比べて時代設定がだいぶ後の方なのもあってジャズっぽい曲が増えた。この曲は近代の都会の雰囲気がよく出ていると思う(2の時代設定は中世でも近世ですらもなくもはや近代だと思うがそれはさておき)。
2には昼と夜が導入され、音楽も昼と夜で2バージョンあるのだが、昼バージョンで始まって夜バージョンののちまた昼バージョンに戻ってフィニッシュというアレンジはよかった。
理を司る者(オケアレンジCD未収録)
これも定番曲。ヴァイオリンの吉田篤貴さんの超絶技巧がうなっていたし、塚越廉さんのアコースティックギターとの掛け合いもよかった。掛け合いに合わせた照明の演出も面白かった。
背中を押して
中盤以降のヴァイオリンソロがimpressiveでとても良い。
この曲は作中いろいろなシーンで流れるはずなのだが、どうにもアグネアのイメージが強く、次の2曲と合わせて個人的にはアグネア3部曲であった。
ここで3回目のMC。ゲストは髙橋P。髙橋Pは首にテリオンストールを巻いて登場。
旅立ちの唄(オケアレンジCD未収録)
きぼうの唄(オケアレンジCD未収録)
ボーカルの國土佳音さんが登場し、ボーカル曲があることを初めて知る。セットリストでは独立した2曲になっていたが、シームレスに繋がっていて実質メドレーだったと思う。
「旅立ちの唄」は普通に聞いていたが「きぼうの唄」で涙腺崩壊。
ポジティブな願いと明日への希望を素直に感じさせる声、そしてアグネアのテーマの上に乗ったメロディーラインがまさにアグネアの旅の集大成にふさわしい「きぼうの唄」は、自分が2の中で一番好きで、それこそ「希望をもらった」曲である。
感動のあまり涙腺崩壊したのは人生初だった。その後はマスクの中で洟をすすりながら聞いた。個人的オケコンハイライト。國土さんが手を振りながら歌っている姿がとても印象的で、映像を録画していないのを心底残念に思った。BBBLのBDの売行が悪かったからだろうか……。
灯火の守り手~欲望の道に待ち受ける者(オケアレンジCDのトリ)
一度退場した國土さんが黒い羽織で再登場。みんなを幸せにするスターから一瞬にして"選ばれし者"の行く手を阻む呪王へと変身。
決意(オケアレンジCD未収録)
無印の「決意」から始まり、2の「揺るがぬ決意」へ。元々この2曲はとても似ているのだが、繋ぎが自然すぎた。
無印の「決意」はなんとなくオルベリクのテーマな感じがしている。
王道を求めて~決戦2
パーカスの感じが少しドラクエを彷彿とさせた。
旅路の果てに立ちはだかる者(オケアレンジCD未収録)
これも定番曲。
ここで最後のMC。最後は西木さんお一人。「楽しい時間はあっという間に終わってしまうもので」本当にあっという間すぎた。もっと聞いていたい。
魔神の血を継ぐ者~明日を望まぬ者(オケアレンジCD未収録)
「魔神の血を継ぐ者」は絶対に来ると思っていたけど、まさか「明日を望まぬ者」とのミックスアレンジが来るとは思わなかった!
オクトラ2のエクストラクリアは結局オケコンには間に合わなかったのだが、挑戦だけはしておいてよかった。
テノールの村上さんはテリオンストールと見紛う紫のストールを纏って登場。歌いながらストールを孔雀の羽のように広げるなど、歌以外の演技も大変良かった。返す返すも映像の録画がなかったのが残念である。
第I部に比べると第II部はストーリーを感じる選曲だった。なんとなくだが、2の曲の方が拍手が大きかった気がする。実は無印&大陸の覇者よりも2のファンの方が多かっただろうか。
最後の曲目が終わってもオケの皆様は誰も退場せず、そのまますぐにアンコールに突入。
踊子プリムロゼのテーマ
バイオリンとギターの掛け合いがよかった。アイリッシュブズーキのジャラジャラした音がないので(ブズーキが鳴っているのは実際はイントロだけなのではあるが)しっとり落ち着いた印象だった。プリムロゼに合わせて、照明でバラを演出していた。
キャットリンのテーマ
「5年の時を経てぬいぐるみ化を果たしたアイツ」のテーマがコンサートのトリを飾った。初めは軽快だったが、ソロやコーラスの人も一人また一人と出てきて参加者が増え、しまいにはオケも合わせて全員参加。どんどん豪華に、また壮大になっていくのが楽しかった。魔王キャットリンがそこにいた。
全体的に攻めたアレンジで、大変良かったと思う。アレンジャーは何人かいたのだが、各アレンジャーの特色が存分に発揮されていた。ゲーム音楽のアレンジ黎明期を思い出した。
今のゲーム音楽はサンプリング音源を鳴らすのではなく演奏を収録して使っているから、聞いている方としてはただ原曲をなぞられてもしょうがないし(演奏する側としてはそのような楽しみもあるし、原曲通りに演奏して演奏者の個性を楽しむ楽しみ方があるのもわかる)、個人的には鳴っているのが生の楽器なのかゲーム機なのかしか違わないようならゲーム機でオリジナルを聞けばよいという意見である。
基本的に音楽は録音で十分だと思っていたしそれで満足していたけれども、朗読劇に続いて生演奏の迫力やグルーヴを体験し、ライブとはいいものだと思い直した。
今回のオーケストラコンサートは、プレイヤーとして聞いても十分感激したけれども、一番感無量なのはやはりゲームと音楽を作った人たちだったのではないかと思う。
選曲はオーソドックスというか、順当というか、まあこれが来ますよねという感じだった。選曲でそう来るか! と思ったのはアンコールのキャットリンのテーマ。
2階席だったのでオケ全員、特に最後列のパーカッション奏者の方々の動きがよく見えて楽しかった。
残念だった点は、マイクなしでも生音がはっきり聞こえる楽器と明らかにスピーカーから聞こえてくる楽器の音とが今一つ調和していなかったこと。2階席で遠かったから仕方がないとは思う。スクエニe-STOREで当選していたら1階席だったのだろうか。
それから、ファーストトランペットが結構ソロでフレーズ吹くことが多くてカッコよかったのに、1回しか紹介されなかったのも個人的には残念。もう少し労ってあげてほしかった。
当日の物販では御朱印帳、名鉄観光コラボポーチ、パンフレット、キーホルダーを入手。パンフレットはハードカバーでえらく立派であった。キーホルダーは思っていたより大きく、また重い。
オケコン先行物販での戦利品 |
入手したものを並べてみると、オクトラのコンサートではなく名鉄観光のブースに来たかのような内容である。しかし、名古屋に縁がない民にとっては実は名鉄観光コラボグッズこそ現地でしか買えない限定品なのである。
名鉄観光のコラボチラシはゲットできるとは思っていなかったので嬉しいサプライズだった。オフィーリアの関西版だけが売り切れていたが、もともと在庫が少なかったのだろうか。
公演後に余韻に浸りたくてオケアレンジCDを買ったところ、オケアレンジCDに収録されていない曲が半分くらいあって驚いてしまった。というか聞き直したい曲がどれも収録されてない! はやく収録音源を発売してほしい。
オケアレンジCDの演奏は、ライブに比べると大人しくまとまっているという印象だった。
オケアレンジCDは諸事情あってAmazonのダウンロード版を買った。その時に音楽手記の出品が何点も検索で表示されて治安が悪かった。
音楽手記の内容はおそらくnoteでの連載をまとめて加筆修正したものだとは思うのだが、パンフレットをe-STOREで販売するのなら音楽手記も販売してほしい。朗読劇台本みたいに受注販売で構わないので。
最後に、西木さんがMCでも言っていた来場者アンケート。アンケートを取る背景に思うところはあったが回答はした。提出後に後から書き足そうとしたら回答を編集できなかったのは内緒である。
それにしても、「今回と同様の内容でコンサートを開催した場合、チケット購入を検討するか」という質問に対する回答の選択肢がなぜそんなに自信なさげなのか。
説得力はそれなりにあるだろうが、おそらくあまり参考にはならないアンケートを出した。次回も楽しみにしていますよ。