【2024年4月25日~5月8日のまとめ】
オクトラ朗読劇のために一時帰国した時の話。この時は往路でも復路でもあまり普段の旅程では起こらないイベントが起きて、ちょっと面白かった。
往路。いつもは当日の始発で間に合うのだが、今回は経由地の関係でいつもよりフライトが早かった。始発では間に合いそうになかったので前日の夜に出て空港で夜明かしすることにした。
ホームで空港行きの電車を待っていると、同じく空港へ向かうらしき中国人に声をかけられた。来た電車が空港行きかどうか確信が持てなかったらしい。前回は行先の違う電車に乗ってしまい大変な目に遭ったと言っていた。
少し話を聞いてみると、母校その1で環境系の修士課程をやっていて、中国で実習するので帰国するとのことだった。その中国人も経由地は別だが早朝のフライトで空港で夜明かしするつもりだといい、結局その人とマクドナルドで朝を待つことになった。
その中国人も、研究所に来る留学生と同じく、同じ外国人だからわかるでしょ? という感じで結構気安くドイツの愚痴を並べ立ててくる。共通の話題ではあるが、自分は正直その頃の気持ちはもう忘れてしまった。というかそれを乗り越えたからこそこれだけの年数ドイツにいるのだが、そういうことにはあまり想像は及ばないかもしれないと思いながら話を聞いていた。
同じ環境に留まり続けながらずっと同じ愚痴を言い続ける人の気持ちはもっとわからないけれど。
その中国人は、自然の法則には政治が介在しないから自然科学を選んだ、と言った。自分は、確かに自然は人間の都合など意に介さないが、自然科学は人間がやるものだ、と答えた。
ドイツで修士を取ったら中国もしくは別の国で博士課程に進むつもりだが、分野を変えるかどうかで悩んでいるらしかった。話を聞いている限りでは最短距離でさっさとこなすことに価値を見出しているようだったから、分野を変えても学位は取れるが最低年限では難しいと思うとは伝えた。「分野変えて学位取ったってすごくない?! 大変じゃなかった???」と訊かれて思わず笑ってしまった。自分でも意外だった。
この中国人との会話で何が印象的だったかというと、思わぬところで自分の来し方を振り返ることになったことだった。
往路。ミュンヘンでの入国審査。順番待ちをしていたところ、入国審査官から「あなたドイツ語わかる?」と指名された。
呼ばれて行ってみると、審査中の日本人が英語もドイツ語もわからず意思疎通ができないので通訳してほしいという。
まずドイツでの滞在場所を聞かれた。どうやらドイツに住む娘夫婦を訪ねて来たらしかった。
入国審査官が帰りのチケットは? と聞くと、ネットでメールにログインしないと見えないというので待っていたが、そのログインに相当てこずっていた。もしかしたらスマホもインターネットにつながっていなかったかもしれない。
荷物を両手に持ったままとてもやりづらそうにスマホを操作していて、思わず「荷物お持ちしましょうか?」と声をかけてしまった。しびれを切らした担当官が帰りは何日のフライトかと聞くと、それにはかろうじて即答できた。
質問が娘さんに関することに移った。娘さんはどこだと聞かれると、娘はまだ仕事中だという。娘さんはドイツ語を話せるのか? という質問には「娘は話せないが娘の旦那は話せる」と答えた。
ではここで娘さんの夫君に電話しろ、と審査官の人が言うと、「電話番号は知らないがすぐそこまで娘と一緒に迎えに来ている」と言った。さっきと言っていることが違う。
パニックになっているせいなのか、日本語でも受け答えがなんだか要領を得ない。
最終的に無事に娘さんと電話がつながり、自分は解放された。その間10分くらいだっただろうか。英語も現地語もわからなくて入国審査で引っかかる人は本当にいるんだ、という驚きがあった。
自分の入国審査はというと、その日本人との問答の間に済んでしまった。自分にとって入国審査とはこういうものだったのでギャップが大きい。
それにしても、日本のパスポートを持っていたから自分が日本人だというのはわかっただろうが、入国審査官はなんで自分がドイツ語を話せると思ったのだろう。
・ピクミンブルームの記録。
やるのかやらないのかはっきりせず静観していた作業が降ってきて活動は落ち気味。
ウィークリー振り返り2022年3月。
5月8日 牡牛座新月 「新しく形成される大陸」